鬼マサ日記

その昔、鬼マサと呼ばれていたという父親の話である

鬼マサ家族を笑わせる?

その昔

喧嘩っ早いせいなのか

『鬼マサ』と呼ばれていたという父

 

 

そんな父は
ふざけたことをして
家族を笑わせようとするのが好きだ
 
特に母はそのターゲットとなる
 
笑わせるだけならまだしも、
ふざけた事を延々とやり続け
 
しまいには母を怒らせる
…という事もしばしばだ
 
実際そんなエピソードは
数えきれない程ある
 
その中でも定番はというと

お風呂上がりの『パンいちダンス』だ
 
書いて字のごとく

パンツ一丁で踊るというものだ
 
夜、母と私がリビングで
2時間ドラマを真剣にみていると
風呂上がりに必ずやってくる父
 
1980年代、私の住む田舎町では
男性の下着が
やっとブリーフからトランクスへ
移行中の時代
 
あんなスースーするもん履けるか!と
頑なにトランクスを拒んでいた父は、
いつもまとめ買いの
白いブリーフを履いていた
 
風呂上がりに
そのブリーフの両端を人差し指と親指で
ちょっとだけつまみ


横にピーンと引っ張り
クルクルと回りながら
テレビと私たちの間を通り過ぎていく

 

そしてまた反対方向から
クルクルと回りながら
そこを横切るのである
 
BGMはお決まりの白鳥の湖

 

ターリラリラ ラーララーラと
口ずさんでいる


母と私を横目でチラチラ見ながら
笑わせようと狙っている
 
私たちは
そんなもん見えてませんよ〜
というスタンスで
 
クルクルとテレビの前を行き来する父を
完全に無視し

テレビに釘付けです!
という態度を保っていた
 
しかし、隠しきれない眉間のシワと
弾きっつった顔を、
父は見逃していなかった…

 

続く